☆制作スタッフインタビュー


シナリオをご担当いただいた、まどか氏 松本陽子氏 へのインタビューです。
オフィシャルWEB初出しです。

【質問】今回のシナリオはお二人で共同執筆されたとのことでしたが、
一番苦労された点はどんなところですか?

まどか氏:

 まず、最初にお話をいただいたとき、

 シナリオは全くの主人公目線というところにビックリしました。

 普通はト書きなどを使って状況などを説明するんですが、

 今回はそれがほとんど出来ないという設定にまず悩みましたね。

松本氏:

 私も同じですね。

 極力主人公の台詞を削って欲しいとのことでしたので、

 主人公とキャラの二人きりの会話は特に心を砕きました。

 主人公が無個性な分、キャラ全員に個性が有り余るほどあったので

 乗り切れたかな、と思っています。

まどか氏:  

 そうですね、周りのキャラクター達に助けられた感じです。

 ですが、いざゲームとしてプレイしてみるとこの「主人公視点」に

 重きを置いた月下氷人さんのこだわりが、とても良い方向に伸びたかなと思いました。 

 どうでしょうか?

 みなさんは主人公の視点を通して「姫」になりきることはできましたでしょうか?

松本氏:

 月下氷人さんのこだわりといえば、

 片仮名もなるべく使わないで欲しいという要望もありました。

 ここでも言葉に悩んだりすることもありましたが、結果、世界観の構築に

 一役買えたのではないかと思います。

 まあところどころ妥協案を採用してある部分もありますが。

 とあるキャラからの贈り物とか(笑)

まどか氏:

 どうしてもカタカナじゃないと表現できないものってありますからね。

 どうやってうまく日本語に変換するか、辞書を引きまくった記憶が(笑)


【質問】宜しければお二人の一番お気に入りのシーンを教えて下さい。

まどか氏:

 私はなんと言っても『カインが悩み苦しみ両親の墓前で思いをぶつけるシーン』です。

 ここはカインの立場になって勢いに乗り、台詞を書き連ねたところです。

 カインのやりきれない思いを暖かく、そして強く受け止めるジーク。

 ここのシーンは何度回想してもジーンとしてしまいます。

 もちろん、役者さんたちの演技や演出が素晴らしい!というのが大前提ではありますが!

 カインの苦しみや悩みなどが、うまく皆さんに伝わっていれば大変嬉しく思います。

松本氏:

 好きなシーンはたくさんあるのですが、その中で特にというと・・・

 事故死してしまった実弟カインが夢に現れるシーンでしょうか。このときのカインと主人公

 気持ちを思うととても切なくなりますね。

 この次の日の朝、カインが始めて自分から「おはよう」と言うんです。

 そして最後にも、実弟が夢で話していた同じ約束の言葉をカインは口にします。

 実弟カインと現在のカインは違う人間でありながら、やはりどこかで繋がっているのかもし

 れないなあと。

 あ、あともうひとついいですか?(笑)

 実は・・・密かにジークとエドガーの対決も好きだったりします。

 立場とか、あと性格でもですがジークのほうが不利ですからね。ジークに必要以上に力

 入ってしまったかもしれません。

まどか氏:

 確かに!

 キャラクター一人一人に強い思い入れがあるので、書くのが辛いこともありましたよね(笑)


【質問】最後に、「王宮夜想曲」制作についての感想をお願いいたします。

まどか氏:

 最初は設定の難しさや見せ方の面で四苦八苦しましたが、皆が勝手に歩き出し始めたと

 は凄く嬉しかったです。

 そして徐々に、絵や音楽が入り、音声が重なり……、初めて自分に(姫に)語りかけてくれ

 たとき感動は一生忘れられません!

 「王宮夜想曲」に関わることが出来て、本当に幸せです。

 私の中でとても大切な宝物となりました。スタッフの皆様、ユーザーの皆様に深く感謝し

 います。

松本氏:

 そうですね、確かに最初は掴みにくい部分もありました。

 特にカインとか・・・成長するうちにどんどん変化しますから、その部分をどうするのかと

 打ち合わせの日々でしたね。

 初めてキャラの声を聞いたときの感動は本当に忘れられないです!

 書いているうちにキャラのイメージが勝手に脳内に出来上がっていたのですが、その声

 そのまま再生されたような感覚でした。

 まさに、命が吹き込まれたという感じで。

 つきなみな言葉しか出てきませんが・・・「王宮夜想曲」は本当に忘れられない作品とな

 ましたね。


まどかさん、松本さん、ありがとうございました。